メガネの春田静岡駅前店の春田です。
近年、子どもの眼の視力低下がなにかと話題になることが増えました。視力低下の原因は小さいころからスマートフォンやテレビゲームが身の回りにあり、それが近視の環境的要因の一つに挙げられます。しかし視力低下の原因は必ずしも近視だけではなく、遠視・乱視といった原因もあり、どちらかというと2歳~6歳の子供は近視よりも「遠視」の方も重要視しなければいけない問題です。
子どもの視力発達は周りの大人たちの協力が必要不可欠です。ほとんどのこどもは見えにくいことや視力の異常を訴えることはないため、身近にいる周りの大人たちが常に子供に気を配り、気づく必要・責任があります。
そこでこれから複数回に分けて子供の視力についてご紹介していきます。今回は復習を兼ねて目の視力変化についてのおさらいです。
近視ってなに?
近視は遠くのものを見たとき、網膜の手前にピントが合っている状態です。
一般に遠くのものはよく見えませんが、近くのものはよく見えます。軽い近視の場合は、眼から離れたものがはっきり見えますが、強い近視の場合は程度に応じて眼から離れたものが見える距離が短くなります。
遠視ってなに?
遠視とは目の筋肉を使わない状態のとき、遠くのものが網膜の後ろにピントが合っている状態です。
遠視の眼はメガネをかけないままでは 遠くを見たときにピントが合いませんが、年齢が若い人ほど、ピントを合わせる調節力が働きます。そのため、この調節力の程度に応じて、遠視の状態を一時的に消却できることがあります。実際に、若い人で軽い遠視の人は遠方がよく見えるということがあります。
近くのものを見るときに必要な度数を調節によって代償できる遠視であれば、裸眼視力はよく、視力障害を訴えることはほとんどありません。しかし、幼児期および小児期に近方明視を調節で代償できないほどの遠視がある場合には弱視になる可能性が高いと言われています。
一般に視力発達は9才頃に完成すると言われていますので、弱視が疑われる遠視眼ではできるだけ年齢が低いにうちに矯正を開始する必要があります。
乱視ってなに?
水晶体が調節を休止した状態にあるとき、ラグビーボールのように角膜や水晶体の縦と横の曲率が異なっているため、焦点が2つになってしまう眼の状態を乱視といいます。
乱視には正乱視と不正乱視の2種類あり、全く異なります。正乱視は、乱視レンズで補正することができ、メガネが得意な分野です。不正乱視はまさに規則性がなく、病気になったときに起こることがあります。
前述した正視、近視、遠視は、たて方向やよこ方向共に同じ位置に焦点を結びます。しかし、正乱視は同じ位置に焦点を結びません。一例をあげると、たて方向が正視でよこ方向が遠視という組み合わせの乱視があります。
また近視で乱視の状態を、近視性乱視といい、遠視で乱視の状態を遠視性乱視といいます。
斜視ってなに?
片方の目の視線が正しい方向に向いていない目のことをいいます。片方の目は正しく目標とする方向に視線が向いているが、もう片方の目は別の方向(左右、上下)に向いている状態です。
偽斜視といって鼻の成長過程で、まだ鼻根が低いためにあたかも斜視に見えることがありますが、この場合心配には及びません。
弱視ってなに?
メガネで矯正しても視力が出ない目のことをいいます。裸眼視力がたとえ0.1であっても、メガネで矯正して0.1以上の視力が出れば弱視とはいいません。こどもの視力は、毎日目を使って物を見ることで発達していきます。しかし、その発達途中において目の病気などで物が見えにくい時期があると、視力の発達が遅れてしまうことがあります。この状態のことを弱視といいます。